2017年1月19日(木)

2014年9月に函館までたどり着いたが、さすがに9月も後半になるとすでに北海道は晩秋の気候であり、海も荒れる日が多くなる。大間の漁師や函館の船乗りに聞いても、9月以降に北海道一周するのは至難の業だと言われた。

知らん人は気軽に、「9月やったらまだ間に合うんちゃうん?」、とか言うけれど、極寒と強風、波高のある海に耐えながら回っても少しも楽しくないのだ。

まず函館で冬の間係留できる場所を探すけれど、もし見つけられなかったらそのまま太平洋側を青森から岩手福島と南下していくしかないと思ってた。

幸いヨットクラブの桟橋に一つだけ空きがあって格安で係留できた。

冬の間は暇やし、たまにヨットの様子も見に来たいのでニセコのホテルで皿洗いのバイトをしながら春を待った。

2015年4月になり、函館に戻ってからは再出発の準備など。もっとも時間と手間のかかったのは船の臨時検査を受ける準備。プレジャーボートは備えてる安全備品によって、検査登録のとき陸から何海里離れられるかが決められる。いままでは5海里(5海里×1.8km=約9キロ)しか離れられない。種子島から函館までなんとかやってきたが、もっと沖合を通りたいときとか隠岐の島や佐渡島に寄りたくても行けなかったわけで。

一つ上の20海里までの検査を受け直せば沖縄まで行けるようになる。冬のバイトで貯めたお金で検査や備品の費用をまかなうことが出来た。

5月28日、函館港を出て時計回りの北海道一周にとりかかった。

日本一周2


5月後半だが北海道ではまだまだ寒い日が続く。ダウンの上にカッパを着て、毛糸の帽子にネックウォーマー姿で操船する。

検査受け直しのおかげで奥尻島や焼尻島、利尻島にも渡れた。冬の皿洗いバイトで知り合ったクモさんが利尻のホテルで働いてきたので再会し、電動自転車を借りて島一周できたのもありがたかった。

稚内では仙台のヨット、フェニックスさんとも出会い酒も酌み交わし、旅の情報をやりとりできた。

港に滞在していたとき、船の外の岸壁から声をがかかり出てみたら、ヨッシーの自転車日本一周ブログをずっと読んでてくれたという男性が訪ねてきてくれたこともあった。コメントなどはいただいたことが無かったのでそういう人の存在を知り得なかったのだが、ずっと旅の記録を書いてきて良かったと思った。

北海道周遊でもっとも心に残った景色の一つは知床半島である。自転車旅の時にも知床には行ったが、岬の先端までは船でしか行けない場所だったので、これを回ることができたのがうれしかった。

知床岬近辺は海流がぶつかるところなので難所として語られているが、ヨッシーが回ったときの数日は天候も穏やかで海も荒れず、世界遺産をじっくり眺めながらの航海となった。

北海道一周には2ヶ月の期間を計画していた。7月末頃までには津軽海峡を渡って青森から太平洋を南下するつもりでいた。結果8月6日に海峡を渡ることができたので、まあまあの予定どうりではなかろうか。

続く